Quantcast
Channel: ことのはアーティストの「心を満たす毎日の過ごし方」
Viewing all articles
Browse latest Browse all 326

アラスカの文化~白樺の皮でバスケット~

$
0
0

北極圏の町コッツビューでは
観光工芸品としてバスケットを作る方が何人かいて
私はこの旅でいろいろと作ってみたいと思っていました。



ちなみにコッツビューはこんなところです。
(英語のサイトになります)
http://www.cityofkotzebue.com/

地域の放送で無事に白樺のバスケットを作る方と
連絡がとれ、後日教えてもらえることになりました。

お世話になっている先住民族のメアリーと
娘のカイヤと一緒にその方の小屋へ。
目の前はベーリング海が広がっています。

材料は白樺の皮と


柳です。


はさみで白樺の皮を型に沿って切り
柳の枝でつなぐため、穴をあけていきます。
けっこう力のいる作業で
初めてではなかなかうまくいきませんでした。
なので、けっこう手伝ってもらいました。



だんだん形になってきました。



底の部分もくっつけて最終チェックをしてもらいました。



すごくうれしい!!
今でも大事に小物入れとして使っています。
この旅で初めて作った作品です。

*********************

帰国して、北方先住民族の研究者の方と
出会う機会がありました。
コッツビューで白樺のバスケットを作った、と話したら
「北極圏に白樺なんてないのに、それを作るなんて意味がない。
 ただの観光客目当ての工芸品じゃないか」
と言われました。

たしかに、コッツビューはツンドラ地帯なので
高い木は生えていません。
今回私が作った白樺の材料も他の地域から
取り寄せていると先住民族の方が言っていました。

でも、数少ない観光客向けに作り
それを収入としているのが現状です。

日本にもブドウ弦で作る籠があります。
東北の方が有名のようですが、
その材料を関東で取り寄せて作っても
作品の価値は変わらない気がします。

私が大事にしたいのは
旅で誰と出会い、どういう会話がなされ
どういう経験ができるか、
ただそれだけなんだなと
この研究者の方とお話しして思いました。

研究者の方は研究者の方の視点があって
私は私の視点があってアラスカを見つめたい。
それを強く感じさせた出会いでもありました。


Viewing all articles
Browse latest Browse all 326

Trending Articles