北極圏の町コッツビューでは
観光工芸品としてバスケットを作る方が何人かいて
私はこの旅でいろいろと作ってみたいと思っていました。
ちなみにコッツビューはこんなところです。
(英語のサイトになります)
http://www.cityofkotzebue.com/
地域の放送で無事に白樺のバスケットを作る方と
連絡がとれ、後日教えてもらえることになりました。
お世話になっている先住民族のメアリーと
娘のカイヤと一緒にその方の小屋へ。
目の前はベーリング海が広がっています。
材料は白樺の皮と
柳です。
はさみで白樺の皮を型に沿って切り
柳の枝でつなぐため、穴をあけていきます。
けっこう力のいる作業で
初めてではなかなかうまくいきませんでした。
なので、けっこう手伝ってもらいました。
だんだん形になってきました。
底の部分もくっつけて最終チェックをしてもらいました。
すごくうれしい!!
今でも大事に小物入れとして使っています。
この旅で初めて作った作品です。
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帰国して、北方先住民族の研究者の方と
出会う機会がありました。
コッツビューで白樺のバスケットを作った、と話したら
「北極圏に白樺なんてないのに、それを作るなんて意味がない。
ただの観光客目当ての工芸品じゃないか」
と言われました。
たしかに、コッツビューはツンドラ地帯なので
高い木は生えていません。
今回私が作った白樺の材料も他の地域から
取り寄せていると先住民族の方が言っていました。
でも、数少ない観光客向けに作り
それを収入としているのが現状です。
日本にもブドウ弦で作る籠があります。
東北の方が有名のようですが、
その材料を関東で取り寄せて作っても
作品の価値は変わらない気がします。
私が大事にしたいのは
旅で誰と出会い、どういう会話がなされ
どういう経験ができるか、
ただそれだけなんだなと
この研究者の方とお話しして思いました。
研究者の方は研究者の方の視点があって
私は私の視点があってアラスカを見つめたい。
それを強く感じさせた出会いでもありました。