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Channel: ことのはアーティストの「心を満たす毎日の過ごし方」
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アラスカの旅~ミスコンとアルコール依存症~

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北極圏のコッツビューでお祭りが開かれた時のこと。
催し物のなかにミスコンがありました。

冬の先住民族の衣装を着たり
夏の衣装を着たりしてお披露目。



アラスカといってもアメリカ。
冬でもこういう民族衣装を着て生活している
わけではないのですが…。

「おばあちゃんが作ってくれました」
「親戚のおばさんが作ってくれました」
と自分たちの文化を身近な人から
受け継いでいるというエピソードが
多かった気がします。

ファッションショーの他に
スピーチがありました。

とても印象深かったのはアルコール依存症について
語った女の子のスピーチ。

「アルコール依存症は私たちにとって身近な問題。
 きっとここにいる誰も親戚で一人や二人
 この問題に悩んでいる人がいるかと思います。
 私の周りにもいます。」

で始まった彼女の話では大好きな故郷から
この問題をなくしたい!
大切な人たちを失いたくない!
悲しい思いはもうしたくない!
というまっすぐな気持ちがあふれていました。

北極圏は「ドライ」と言われる土地で
これはアルコールの販売が禁止されている
地域のことをいいます。
なので、アラスカの他の地域のお店で購入し
持ち込んで飲酒します。

「日本人は日本酒があるからアルコールに対して
免疫力があると思うけれど、私たちはないのよ。」

と先住民族のジュンは言っていました。

生活も教育も食もすべてアメリカ化している
先住民族の現代の生活。
今いる人たちはもちろん生まれた時からその状態で
女性は白人男性と結婚している人が多い。
(そう親から言われている人たちもいました)
どうにか白人と結婚して安定した生活ができるように
娘を思ってのことだそうです。

これは私の印象にすぎないのですが
北方先住民族の人たちは自分たちの権利を主張したり
白人に対して悪く言ったりする人があまりいない。
それよりも白人社会の中でどう自分たちが同じように
生活ができるようになるか
ということに焦点が置かれているような気がします。

そして、その弊害として
アルコールの問題が浮き彫りに出てしまっているのかな。

先住民族の地域はアルコール依存症の問題があるから
地域ごと「ドライ」にする。
それが国のとった政策。

これがどうもしっくりこない私がいます。




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